導入前に見ておきたい!チャットボットでよくある失敗例9選

導入前に見ておきたい!チャットボットでよくある失敗例9選

チャットボットの導入を検討する際に、メリット・デメリットの比較を行うと思います。導入するだけで24h365日の自動対応が実現できる訳ではありません。適した条件、適した設計など、全ては逆算の上で成功するためのシナリオが組まれています。最初の導入段階で、そもそもチャットボットでは失敗しかしない条件でスタートしている企業も少なくありません。導入の前のチェックポイントとして、よくある失敗を確認しておくことをお勧めします。

チャットボットって成功事例ばかり聞くけど、失敗している企業っていないのかな?

実は世の中に発信していないだけで、大半の企業が失敗を経験しているんだ。
この失敗を避けて最初から成功しておくためにも、よくあるパターンを把握した方が良いね!

目次

そもそもチャットボットとは(知っている人は読み飛ばしてOK!)

本記事を見ている方はチャットボットについて事前知識がある方が多いと思いますので、こちらは読み飛ばしていただいて大丈夫です。「そもそもチャットボットについてあまり知らない」という方向けに簡単に紹介します。

そもそもチャットボットって何のこと?という方は【完全初心者向け】チャットボットとはどのようなサービス?の記事から読んでみてください。

「チャット(chat)」+「ロボット(bot)」で「チャットボット(chatbot)」

チャットボットはその名前の通り、チャット(会話)するロボットのことです。もともとは人間に変わってコミュニケーションを取る研究がされており、ここ4−5年の間でチャットボットとしてサービスが普及しました。まだまだ人間と同じレベルで会話ができるという訳ではなく、多くは特定の問合せや分野に限定した範囲の中で利用されています。

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選択肢型(AIなし)、検索型(AIあり)の大きく2つ

チャットボットは問合せの自動応答やフォームの代替としての利用がほとんどです。昔、LINEのりんなという会話AIが流行りましたが、ビジネスの世界では活用されていません。理由としては、学習するデータベースの中で問合せ対応を含んでいないためです。自然な会話をしているようなAIというコンセプトなので、問合せに対応してくれるという訳ではないんですね。

そのため、AIが入っていない選択肢型、もしくはAIが入っている検索型のどちらかとなります。詳細を知りたい方はこちらを参考ください。

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チャットボットでよくある失敗例〜導入前編〜

ここから本題です。チャットボットでよくある失敗する項目を大きく3つのフェーズ(導入前、準備、導入後)でまとめていきます。まずは導入前から紹介します。

失敗1:導入後に「効果あった?」って上司に聞かれたけど、正直わからない。

導入後に効果があったかどうかを確認するのは今では一般的ですが、導入前に目的がないと判断することはできません。問合せ数を削減したいのか、売上をアップさせるために使いたいのか、顧客満足度を向上させるために利用したいのかなど、どのような効果を求めて導入をしたいのかを整理しておくことが必要です。

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失敗2:これもオプション、あれもオプションで結局予算オーバー

最初に価格重視でチャットボットを導入したいという企業は多いです。ベースの価格表示は安いのですが、結局やりたいことを実現しようと思うと、オプション費用が重なり、他のツールの方が安かったということはよくあります。最初の見積もり依頼の時に、どういった条件で使いたいのかを決めて見積もりをもらうことが必要です。

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失敗3:目的にあった機能が備わっておらず、人力でカバーする羽目に

問合せ削減をしたいのか、売上をアップしたいのかなどの目的によって必要となる機能が異なります。問合せ削減の場合はAIが入っていた方が効果が出やすいですし、売上向上の場合はUIやUXが重要なポイントとなります。目的にあった機能としてどのようなものが必要なのか、事例としてあるのかを確認をしておくことをお勧めします。

チャットボットでよくある失敗例〜導入準備編〜

ここからは導入準備編です。どのツールを活用するかが決まったあと、いざプロジェクトを動かそうとしていると予想外だったことが発生するケースがあります。どのようなケースがあるのかを確認してみましょう。

失敗4:事前に工数が確認できておらず、業務が逼迫状態に

チャットボットの導入は想定よりもパワーがかかることが多いです。チャットボットはページに埋め込んでもらったり、実際にユーザーの目に触れる回答になったりするので、関連各所を巻き込んでいく必要があるためです。プロジェクトの開始タイミングでは、リリース時期の目標が決まっていますので、自分の業務にプラスアルファで行うと業務が逼迫状態になってしまいます。事前にどのような作業が発生するかを確認した上で、チーム体制で行う方がよいでしょう。

失敗5:運用することを想定していないチャットボットを作ってしまった

チャットボットは作ったら終わりというものではなく、ユーザーとの会話データを見ながらチューニング(再学習)を行なっていく必要があります。ユーザーに役に立った回答だったのか、解決しなかったパターンはどのような質問かなど、ユーザーの発話データを集める想定でチャットボットを作ることが必要です。対策をしていないと、チャットボットのリリース後に、「あまり役に立っていないという意見があったけど、どのように修正したら良いかわからない」という状態に陥ってしまいます。

失敗6:訪問者が全然いないページでスタートを決めてしまい、利用者が増えなかった

はじめてのチャレンジはなるべくリスクを少なくしたいものです。そのため、「あまり利用者がいないようなページからスタートさせよう」と社内決議をした企業は少なくありませんが、大半は利用者が全然集まらないという結果になります。チャットボットは、多くのユーザーに使ってもらって初めてチューニングができ、よりよいBOTに成長していきます。そのため、最初は「勉強中です」などチャットボットで発話させることで、保険をしつつも、なるべく多くのユーザーに使ってもらうことが成功のカギとなります。

チャットボットでよくある失敗例〜導入後編〜

さて、次は導入後についてです。チャットボットを作ってリリースをした後によくある失敗はどのようなものか確認していきましょう。

失敗7:専任の運用者を立てていなかった

チャットボットはリリースしてから最初の3ヶ月〜半年くらいはチューニングを行い続ける必要があります。想定していなかった質問や新しいFAQの追加などの対応が必要となりますので、できれば専任の担当をつけておくことが望ましいです。中途半端にしてしまうと、出来の悪いチャットボットのままとなってしまい、ユーザー離れに繋がる可能性がありますので注意が必要です。

失敗8:分析の仕方がわからない

チャットボットで色々と実績が集まってきた後に、どのように改善していくかが大切となります。その場合に、膨大な会話データから改善点を抽出することは至難の技です。通常の数値のデータと異なり、実際のユーザーの発話データなので、特殊な分析が必要です。多くのベンダーでは「自然言語処理」の技術を用いた「テキストマイニング」や「クラスタリング分析」を行うことで発話データでのまとまりや特徴を把握することができます。ツールに備わっている場合もあれば、レポーティングを出してくれる企業もありますので、事前に確認しておくことをお勧めします。

失敗9:AIの知識がないままチューニング(再学習)を行なっていた

チャットボットの再学習では「データベースにない質問」の追加や「ニーズを満たしていない回答」の追記作業などが発生します。特にデータベースへFAQなどの質問を追加していく際は、注意が必要です。AIはデータベースからあるルールに基づいて計算を行なった結果として、会話を行います。データベースへの登録のされ方、例えば語尾が「〜したい」、「〜について」など揃っていないだけで精度が落ちてしまうケースがほとんどです。もしチューニングを行う際は、どのようなAIエンジンを使っているのかを確認した上で、注意点を聞いておくとベストです。

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失敗しないための導入の手引き

色々な失敗点を確認した上で、自分は大丈夫かなと心配する方も多かったのではないでしょうか。ここでは失敗しないための導入の手引きについて説明します。

手引き1:まずは目的を整理する

ここが一番成功を左右する要因となります。どのような目的で導入したいのかにより、この後の流れがガラリと変わります。問合せを削減したいのか、売上を向上させたいのかなどの基本的な情報もそうですが、問合せはテンプレで答えられるものが多いのか、データベースを参照しないと答えられないものが多いのかなども確認しておきましょう。

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手引き2:目標を設定する

「◯◯までに××%の問合せを自動化させる」、「◯◯までに××%の売上をアップさせる」などの目標を仮で良いので設定しましょう。これが、導入後の振り返りで1つの指標となります。

手引き3:運用方針の決めておく

チャットボットの運用を社内で専任を立てるのか、それとも社外のベンダーに丸っと運用代行まで任せるのかを決めておきましょう。運用と言っても3ヶ月〜半年で落ち着くケースがほとんどですので、最初は運用代行を任せて、その後の保守管理は専任を立てるという方法もあります。

手引き4:適したチャットボットベンダーを選定する

これまで決めてきた目的〜運用方針までの情報でベンダーを選ぶ条件が出来上がります。各社得意な領域もあれば不得意な領域もあります。一番は自社と同じような目的の事例があるかが、重要となりますので、聞いてみてましょう。最低でも数社と打合せを行い、機能の比較、価格の比較を行なって最適なベンダーを選定しましょう。

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手引き5:運用イメージをつけておく

会話データはいつ頃確認するか、チューニングはどのようなフローで行っていくか、チャットボットで対応できないような問合せはどのように案内するかなど、より詳細なイメージをつけていきましょう。最初はどのような運用が発生するかを想定することは難しいと思いますので、チャットボットのベンダーからそれぞれ話を聞いておくとよいでしょう。

本当にチャットボットが最適か?

これまでチャットボットの失敗例や手引きについて紹介してきました。色々と書いてきましたが、最初の目的によってはチャットボット以外にも最適なツールがある可能性はあります。あまり固執することなく、幅広い視点で見てみると意識も片隅に抑えておくことをお勧めします。

チャットボット以外でも最適な方法がある可能性

  • 電話での対応がほとんどで、今後も電話をなくしていくという方針はない→電話自動化や効率化
  • ヘルプページやマニュアルがわかりづらく、毎回同じような問合せがくる→ページやマニュアルの改修
  • アプリやサービスが使いづらい→アプリ改修

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回はチャットボットでよくある失敗例と、その失敗をしないための手引きについて紹介しました。結論としては目的が一番大切で、その目的達成のための1つの手段としてチャットボットを認識しておくべきということです。必要に固執せず、最適な方法は他にないかなども考えつつ、チャットボットの導入を検討していくことを推奨します。

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