顧客管理としてCRMツールの活用が企業にとっての基幹システムと根付き始め、多くの成功事例が取り上げられています。CRMツールは営業部門だけでなく、マーケティング部門、カスタマーサービス部門など様々な部門で活用することができます。今回はいくつか代表的な事例を紹介します。自社と近しい活用をしている事例があるかなどの視点で見てみることをオススメします。
CRMツールを導入することでどういった効果がでるんだろう?
どこか良い事例ないかな?
CRMツールはB2Bの領域からB2Cの領域まで幅広く活用されているよ!
いくつか代表的な事例を見てみよう。
おさらい:CRMツールとは何か?
そもそもCRMとは何のこと?
CMRとはCustomer Relationship Management(カスタマーリレーションシップマネージメント)の略語で、「顧客関係管理」や「顧客管理」などと訳されます。顧客(ユーザー)に関する全てのデータ(Webアクセスデータから購入履歴、問合せ履歴など)を一元管理することで、顧客にあった最適な提案や対応を行うことを目的にしています。
クラウド型サービスの登場によって既存顧客からの売上が重要指標に
CRMツールが注目されるようになった背景の1つとしてSaaS型のビジネスモデルの普及があります。身近な例だとNetflix (ネットフリックス)やAmazonプライムなどのサブスクリプションサービスが該当します。これらのサービスは月額課金での利用のため、いかにユーザーに継続してもらえるのかが重要です。B2Bでも同じようにサブスクリプション型のサービスはSaaSと呼ばれ、解約を防ぎ、アップセル・クロスセルを行う活動が最重要視されています。
CRMツールでできること
CRMツールではリード管理から取引管理だけではなく、メール配信や顧客のスコアリング、売上予測なども搭載していることが多いです。
- リード管理:まだ顧客になっていないリストの管理
- 商談管理:提案や見積もり中の案件の管理
- 案件管理:受注した案件の管理
- 顧客管理:取引先ごとの企業情報やメンバー情報の管理
- 問合せ管理:問合せをしたユーザーの対応履歴などの管理
- メール配信:リードや顧客登録されているアドレスへ一斉配信やメルマガ機能
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CRMツールの導入事例5選!
それでは本題のCRMの導入事例についてB2BとB2Cそれぞれ紹介します。
1.アウトバンド型からインバウンド型への営業スタイルの切り替えによる効率的なアプローチ方法の確率(B2B事例)
まずはB2Bでの事例です。こちらの企業では広告代理店事業を行なっており、アウトバンド型の事業が中心でした。アウトバンドの営業は受注効率が悪く、売上が伸びづらい上に営業担当者の精神的な負荷が課題となっていました。
CMRツールを営業活動の効率化のために導入を行い、ホームページやダウンロード資料コンテンツの作成、メルマガの自動配信などへ活用したことで、アウトバンド型からインバウンド型への営業スタイルへ切り替えを行うことに成功しました。
その結果、営業担当者の負荷削減につながったばかりでなく、見込み客の大幅な獲得に成功しました。
- 業種:代理店
- 従業員規模:〜500名
- 課題:アウトバンド型の営業による受注率の低迷と従業員の疲弊
- 施策:CRMツールを活用したコンテンツ作成とメルマガの自動配信
- 効果:見込み客の可視化を行うことができ、獲得リードも数倍に上昇し、営業担当者の負荷軽減に成功
2.リードフォローの取りこぼしをなくし、受注率の向上へ(B2B事例)
続いてもB2B事例の紹介です。こちらの企業ではITサービスの提供をしており、セミナーなどの参加で獲得したリードに対してセールス担当者がフォローを行い、営業活動へとつなげていましたが、人的リソースの問題で、どうしてもフォローアップの漏れが発生していました。また、通常の企業よりもよりテクニカルな提案を行うことが求められ、エンジニアの部署との連携に課題を感じていました。
CRMツールを導入に合わせてリード獲得から案件化までのフロー整備を行ったことで、より効率的な営業が可能となりリード獲得後のフォローアップの漏れ防止に繋がりました。また、他部署も含めて案件の可視化をしたことで、エンジニアとの案件連携がしやすくなり、結果として受注率の向上へつなげることができました。
- 業種:IT
- 従業員規模:~500名
- 課題:セミナーで獲得したリードに対してセールス担当者のフォロー漏れと、他部署を交えたテクニカル提案の連携がうまくできていない点
- 施策:リード獲得から案件までのプロセスルールの作成と可視化を実施
- 効果:取りこぼしの削減と、他部署からのテクニカルフォロー連携が成功し、受注率の向上へつながった
3.過去の購入履歴を参考にした商品提案で4倍のアップセルへ(B2C事例)
続いてB2Cでの活用事例です。雑貨やアパレルなどの通販系の事業を展開しており、顧客対応で各部署への連携で時間がかかってしまうことや、個人によって対応品質にばらつきがあることが課題でした。
CMRツールを導入したことで、顧客の購入履歴からこれまでの対応履歴を一元化することができ、問合せの際に過去の購入履歴や対応履歴を確認できる仕組みを作ることができました。
その結果、各部署の連携進捗を過去の問合せを確認することですぐに回答することにつながり、過去の購入履歴の傾向を元に商品提案を組み込むことで客単価を4倍へと向上させることにつながりました。
- 業種:通販
- 事業:雑貨、アパレル、ファッショングッズの通信販売
- 課題:顧客対応の効率化と対応品質の向上
- 施策:購入履歴、顧客対応履歴を一元化し、問合せ時に過去の履歴を確認できる仕組みを作成
- 効果:問合せ対応の時間短縮と商品提案の客単価が4倍へ向上
4.ボトルネックの可視化を元に改善を行い、売上115%アップを実現(B2C事例)
こちらもB2Cの事例です。店舗でのピザ販売と宅配を実施している企業で、集客の手段としてメインにメルマガを活用していました。ただ、メルマガの開封率が10%未満えあることに加え、コンテンツ作成やA/Bテストなどの工数がかなりかかってしまうことが課題でした。
CRMツールの導入を行ったことでメール配信及びA/Bテストの自動化につながり、これまでの1/3の工数へと大幅に効率化を図ることができました。その結果、より効果のあるメルマガ施策へとPDCAを回し続けることにつながり、結果としてメール経由での売上が前年比115%へと向上させることに繋がりました。
- 業種:小売業
- 従業員規模:3,000名〜
- 事業:ピザ販売
- 課題:メルマガ施策の開封率が10%未満で、かつ工数がかなりかかっていること
- 施策:メール配信及びA/Bテストを自動化
- 効果:メール作成時間が1/3へ短縮し、メール経由での売上が115%向上
5.CRMツールを用いたカスタマーサービスの対応により企業ブランドイメージ向上へ(B2C事例)
最後の事例紹介です。こちらの企業は高い認知度がある家電メーカーで、カスタマーサービス部門としてどのように企業へ貢献しているのかの可視化を行うことに課題を感じていました。CRMツールをもともと導入していたものの、他部署より費用対効果について問われており、利用を継続させるためにカスタマーサービス部門での効果を可視化することが求められました。
そこでカスタマーサービスを利用したユーザーとそうでないユーザーとでユーザーのロイヤリティを図るNPS調査を実施しました。結果として、カスタマーサービスを利用したユーザーの方が利用していないユーザーに比べて4倍のロイヤリティがあることがわかりました。
NPSでのスコアが高いほど、顧客満足度や企業のLTVと強いつながりがあることは研究結果からわかっているため、現行のCRMツールを活用したカスタマーサービスは企業にとっても大きく貢献していることを主張することにつながりました。
- 業種:メーカー
- 従業員規模:200,000名〜
- 事業:家電製品の製造・及び販売
- 課題:ユーザーとの信頼関係を築き、ブランドイメージの向上
- 施策:カスタマーサービスを利用したユーザーとそうでないユーザーとのNPSの比較調査
- 結果:電話やメールなどの相談窓口を利用したユーザーは、利用していないユーザーに比べて4倍のスコアであり、CRMを活用した顧客接点によりブランドイメージ向上へとつながっていることが判明した。
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代表的なCRMツール
CRMツールを提供している会社はかなり多いですが、下記が代表的な会社として認知されています。もし気になる方いましたら資料問合せをしてみることをお勧めします。
- Kintone(キントーン)/サイボウズ株式会社
- eセールスマネージャーRemix cloud/ソフトブレーン株式会社
- Sansan(サンサン)/Sansan株式会社
- Oracle Sales Cloud/Oracle社
- Salesforce/株式会社セールスフォース・ドットコム
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まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はCRMツールの導入事例について紹介しました。B2BからB2Cまで幅広く活用されており、事例もセールスからマーケティング、カスタマーサービスまで様々でした。ポイントは顧客に関するあらゆる情報を一元管理することで生まれるメリットです。効率化の観点や顧客に合わせた最適な対応という視点でも、導入する価値は大きいです。少しでも近しい事例が見つかりましたら、参考にしてみてください。
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