電子契約の効力はある?近年整備された契約に関する法律まとめ!

電子契約の効力はある?近年整備された契約に関する法律まとめ!

ペーパーレス化やリモートワークの普及により2019年以降、多くの企業が電子契約サービスを導入し始め、2021年の調査では約7割の企業が導入していることが明らかになりました。紙文書と異なり全てがオンラインで完結できる電子契約はどのような効力があるのでしょうか?近年整備された電子契約関連の法律について紹介します。

電子契約は便利なんだけど、紙文書と違って原本がないから効力があるのか心配だな。

実は電子契約でも紙文書と同じように効力が担保されているよ!

電子契約とはどのような仕組み?

電子契約は紙文書で捺印して締結する代わりに、すべてをインターネット上で完結することができるサービスです。電子契約は法律に基づき、本人証明、非改ざん性の証明、存在証明の3つを証明できる必要があります。これらの証明をするために、電子契約サービスは3つの技術を活用しています。

  1. 電子署名
  2. 電子証明書
  3. タイムスタンプ

電子署名と電子証明書の2つで本人証明と非改ざん性の証明をし、タイムスタンプで存在の証明を行います。電子署名は「捺印」、電子証明書は「割印」、タイムスタンプは「消印」の役割のようなイメージです。それぞれが本人であること、改ざんしたものではないもの、存在を証明するものの役割を果たしています。

そもそも電子契約って何?という方は8割以上の企業が導入の電子契約とは?仕組みから活用事例まで紹介!で基礎についてまとめていますので、参考にしてみてください。

また、電子契約を導入することで得られるメリットについて詳しく知りたい!という方は電子契約を導入するメリットを徹底解説!郵送や印紙税削減以外の効果とは?を参考にしてみてください。

電子契約は法的な効力はあるのか?

電子契約は簡単に締結することができ、原本があるというわけではなく、全てが電子データなので「法的な効力があるのか?」と気になる方は多いと思います。結論から話すと法的な効力があります。

電子契約の証拠力

法的な効力は、裁判などで「証拠」としての価値が認められるかという「証拠力」の有無に関わります。民事訴訟法や電子署名法には電子契約が「証拠力」といて認められる旨の記載がされています。

電子契約のような電子データの場合にも同様の規定があり、作成者本人による電子署名がなされた電子契約については、押印した契約文書と同様の効力が認められます

(電子署名法第3条)

電子契約に関連する法律

電子契約には多くの法律が整備されて実現に至ったサービスです。電子契約に関連する法律について紹介していきます。

  • 電子帳簿保存法
  • 電子署名法
  • IT書面一括法
  • e-文書法
  • 民法
  • 民事訴訟法
  • 印紙税法

電子帳簿保存法

電子帳簿保存法は1998年に成立し、「帳簿関連の資料を電子データで保存すること」を認めた法律です。これまでは紙での保存が基本でしたが、保存や管理、印刷にかかるコスト削減を目的として定められました。2005年3月の法改正で、紙媒体の書類をスキャンして保存したものも認められるようになりました。

経費や売掛帳などの帳簿や損益計算書などの決算関連資料、契約書、請求書などのその他信憑類書類で電子保存が認められています。

電子署名法

電子署名法は2001年4月に施行された法律で、「電子契約の有効性や証拠力」などについて整備されたものです。これまでは電子契約の法的な取り扱いが明らかではなく、電子取引の普及の妨げになっており、電子契約の法的な扱いを明確にするために整備されました。これにより電子契約でも紙文書の押印やサインと同じように効力が持てるようになりました。

IT書面一括法

IT書面一括法は2001年4月に施行された法律で「書面による手続きを義務付けた法律に対して、電子メールなどの電子手段の利用が認められた」ものです。これまでは証券取引法や訪問販売法などの各種規制によって書面による手続きが義務付けられていましたが、IT化の阻害要因になっていたことから法整備されました。

e-文書法

e-文書法は2005年4月に施行された法律で「商法や税法で保管が義務付けられた文書について電子データでの保存を認める」ものです。1998年に施行された電子帳簿保存法と似通った内容ですが、違いの1つは「電子化の承認が必要かどうか」になります。電子帳簿保存法だと電子化する際は税務署長などに申請して承認を受ける必要がありましたが、e-文書法では不要となりました。

民法

民法でも電子契約による契約について記載がされています。民法第446条第2項で「保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない」と記載があるものの、第3項に「電磁的記録によってされたときは、その保証契約は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する」と記載がありますので、電子契約での有効性が確認できます。

民事訴訟法

民事訴訟法第228条第4項では、「私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。」という推定規定があり、民事訴訟法第231条は、書証に関する規定について「図面、写真、録音テープ、ビデオテープその他の情報を表すために作成された物件で文書でないものについて準用する。」と規定があります。これにより、単なる電子データであっても、その内容の信憑性が高い場合は、証拠といて認められるようになっています。

印紙税法

印紙税法の第2条には、課税対象となる文書について規定がされていますが、電子契約にも該当するかどうかは法的には記載がされていません。ただ、内閣総理大臣による答弁や国税庁への紹介での回答で「電子文書には印紙税が課税されない」と明言されています。

電子契約サービスの一覧

電子契約に関する法律をみて、法的な効力があることを理解いただけたと思います。電子契約は市場がどんどん伸びているため、サービス提供しているプレイヤーも多く存在しています。いくつか代表的なサービスを紹介します。

  1. クラウドサイン
  2. BtoBプラットフォーム
  3. WAN-Sign
  4. 電子印鑑GMOサイン
  5. ContractS CLM
  6. NINJA SIGN by freee
  7. DocuSign(ドキュサイン)
  8. Adobe Sign
  9. CONTRACTHUB@absonne
  10. jinjerサイン

電子契約サービスは年々に提供する会社が増加しており、現在では30社以上のサービスがあります。どこがオススメなのか比較したい!という方は【厳選30社!】電子契約サービスはどこがオススメ?料金から口コミ評価まで徹底比較!の記事にまとめていますので、参考にしてみてください。

また、どのサービスのシェアが多いのかを把握した上で、比較検討したい!という方は電子契約サービスのシェアはどのくらい?トップシェアはやはりあの企業!の記事も参考にしてみてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は電子契約に関連する法律についてまとめてみました。紙文書と異なり原本や捺印がないため、不安に感じる人も多いと思いますが、法整備により電子契約での効力が認められています。今では企業の7割も導入が進んでおり、今後も普及していくことが見込まれます。費用もかなりリーズナブルでコストメリットも多いので、ぜひこの機会に検討してみてはいかがでしょうか?

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