会計ソフトは法人や個人事業主にとってなくてはならない存在です。近年ではインストール型からクラウド型へサービスのトレンドがシフトしており、会計ソフトでも同じような波がきています。法人向けと個人事業主向けで利用する機能が異なる会計ソフトでは、それぞれの領域でトップシェアのサービスが異なりました。法人向けでは「freee」が1位ですが、個人事業主向けで1位の「弥生」はどのような特徴があるのでしょうか?今回は特徴から費用、口コミまで調査をしてみました。
個人事業主向けの会計ソフトだとどういった特徴があるんだろう?
法人向けと異なって、確定申告などの書類作成などの機能がメインだと思うな!
個人事業主向けでシェア1位をとっていえる「弥生」シリーズを調べてみたらどうかな?
そもそもクラウド型の会計ソフトとはどういったサービス?
会計ソフトは帳簿作成や決算書の作成から確定申告書類の作成など企業にとってなくてはならないサービスです。もともとは特定のパソコンに会計ソフトをインストールして利用する「インストール型」が主流でしたが、近年ではソフトをインストールしなくてもインターネットでアカウントを作成することで、利用することができる「クラウド型」に注目が集まっています。
クラウド型はインターネット経由でサービスを利用することができるため、銀行の口座明細やクレジットカード明細などと自動で連携して入力してくれる機能や、スマホを通してレシートや領収者などをスキャンすることで自動入力される機能などもあります。
弥生のシェア
2021年4月にMM総研が実施したアンケート調査によると、会計ソフトのうち、「クラウド型」を利用している個人事業主は26.3%でした。またクラウド型の会計ソフトを利用している人のうち、57%が「弥生」のサービスを利用していることがわかりました。法人向けでは「freee」がトップシェアですが、個人事業主向けだと「弥生」がトップシェアということになります。
参考:クラウド型会計ソフトでシェア1位のfreeeの特徴は?費用から口コミまで徹底調査!
クラウド会計ソフト「弥生」の特徴とは?
会計ソフトの「弥生」はパソコンにインストールする「インストール型」と「クラウド型」の両方のサービスを展開しています。またクラウドのサービスの中でも法人向けと個人事業主向けにさらにサービスやプランが分かれています。
総じてどのような特徴があるのかをまとめていきたいと思います。
<特徴>
- スマート取引取込機能で入力要らず
- かんたん取引入力
- 会計帳簿作成機能
- レポート作成機能
- 法人決算機能
- 会計事務所との連携
- 安心のサポート体制
- 万全なセキュリティ対策
スマート取引取込機能で入力要らず
銀行口座やクレジットカード明細のデータと連携し、自動仕訳をしてくれる機能が搭載されており、記帳工数を大幅に削減することができます。また、スマートフォンなどでレシートデータや領収書データをスキャンすることで、自動でデータを入力・仕訳してくれる機能も搭載されているようです。
かんたん取引入力
簿記知識がない方でも簡単に日付や金額などを入力するだけで利用することができる、わかりやすい操作性が特徴です。
会計帳簿作成機能
登録した取引データから会計帳簿を自動で集計して作成することが可能です。繁忙期などでは特に重宝する機能の1つになりそうです。
レポート作成機能
日々入力した取引データを自動集計して、一目で経営状況が把握できるようなグラフを表示してくれる機能があります。特に経営層と近い会計業務ならではの分析作業はこちらの機能で自動化することができそうです。
法人決算機能
法人企業の場合は決算資料を作成する必要がありますが、登録したデータを元に自動で作成してくれる機能が搭載されています。
会計事務所との連携
弥生と連携している会計事務所であれば、スムーズなデータ連携を行うことができるのもポイントの1つです。利用している会計事務所が連携先であればかなり便利です。
安心のサポート体制
電話やメール、チャットサポートなど幅広いチャネルで対応してくれます。仕訳の相談から、経理業務の相談、マイナンバーの相談までかなり手厚くサポートしてくれるため、初心者の方は特に安心できるかと思います。
万全なセキュリティ対策
クラウド型のため、常に最新バージョンのサービスを利用することが可能です。また、日本マイクロソフト社の優れたセキュリティを利用しているため、コンプライアンス的にも非常に安心できます。
弥生の料金プランは?
弥生シリーズでは法人向け、個人事業主向けに大きくサービスが分かれていますので、それぞれ料金プランや搭載機能などをまとめてみました。
法人向けのプラン
法人向けプランは「弥生会計オンライン」というサービスになるようです。プランが3つに分かれていましたので、表にまとめてみました。
調査した2021年10月時点ではそれぞれのプランでキャンペーンが実施されていました。無料体験プランでは最大で2ヶ月無料で利用することができ、他プランでは1年間無料で利用することができたり、半額で利用することができるようです。
機能の差異としてはサポートプランでの部分が大きく、初心者の方だとベーシックプランの方が安心な印象がありました。
法人向けプラン | 無料体験プラン | セルフプラン | ベーシックプラン |
年間費用 | 最大2ヶ月無料 | 26,000円/年 ※1年間無料キャンペーン | 30,000円/年 ※1年間15,000年キャンペーン |
搭載機能 | |||
取引入力などの基本機能 | ◯ | ◯ | ◯ |
決算書類の作成・出力 | – | ◯ | ◯ |
銀行口座やクレジットカードとの連携 | ◯ | ◯ | ◯ |
領収書やレシートの自動仕訳 | ◯ | ◯ | ◯ |
取引・残高/損益/貸借レポート | ◯ | ◯ | ◯ |
操作サポート(電話・メール) | △ ※最大2ヶ月無料 | △ ※最大2ヶ月無料 | ◯ |
操作サポート(チャット) | – | – | ◯ |
業務相談(仕訳・経理業務・消費税改正・マイナンバー) | △ ※最大2ヶ月無料 | △ ※最大2ヶ月無料 | ◯ |
画面共有サポート※2 | △ ※最大2ヶ月無料 | △ ※最大2ヶ月無料 | ◯ |
WebFAQ(よくある質問FAQ) | ◯ | ◯ | ◯ |
個人事業主プラン
個人事業主プランは確定申告に合わせて白色申告サービスと青色申告サービスに分かれていましたので、それぞれまとめてみます。
やよいの白色申告オンライン
白色申告オンラインはすべての機能が無料で利用できるフリープランがあることのようです。大体はトライアルとしてお試し期間で無料で利用できるケースが多いのですが、白色申告オンラインの場合はサポート以外の全ての機能が無料で利用できるため、大変お得な印象です。
ベーシックプランやトータルプランでの差異は「サポート」の部分で相談内容がトータルプランの方が幅広いようです。
個人向け(白色申告オンライン) | フリープラン | ベーシックプラン | トータルプラン |
年間費用 | 無料 | 8,000円/年 ※1年間4,000円キャンペーン | 14,000円/年 ※1年間7,000円キャンペーン |
搭載機能 | |||
取引入力などの基本機能 | ◯ | ◯ | ◯ |
確定申告書類の作成・出力 | ◯ | ◯ | ◯ |
銀行口座やクレジットカードとの連携 | ◯ | ◯ | ◯ |
領収書やレシートの自動仕訳 | ◯ | ◯ | ◯ |
取引・残高/損益/貸借レポート | ◯ | ◯ | ◯ |
操作サポート(電話・メール・チャット) | – | ◯ | ◯ |
業務相談(仕訳・経理業務・確定申告・消費税改正・マイナンバー) | – | – | ◯ |
サポート対応時間延長(確定申告時期) | – | ◯ | ◯ |
WebFAQ(よくある質問FAQ) | ◯ | ◯ | ◯ |
画面共有サポート※1 | – | ◯ | ◯ |
やよいの青色申告オンライン
青色申告の場合は白色申告と比べてフリープランがないのですが、その代わり無料の体験プランがありました。
機能としては白色申告オンラインとさほど変わらないようですが、青色申告をする場合はこちらの方が良いかと思います。それぞれのプランの差異も変わらず、サポートの違いのようです。
個人向け(青色申告オンライン) | 無料体験プラン | セルフプラン | ベーシックプラン | トータルプラン |
年間費用 | 無料 | 8,000円/年 ※1年間無料キャンペーン | 12,000円/年 ※1年間6,000円キャンペーン | 20,000円/年 ※1年間10,000円キャンペーン |
搭載機能 | ||||
取引入力などの基本機能 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
確定申告書類の作成・出力 | – | ◯ | ◯ | ◯ |
銀行口座やクレジットカードとの連携 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
領収書やレシートの自動仕訳 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
取引・残高/損益/貸借レポート | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
操作サポート(電話・メール・チャット) | – | – | ◯ | ◯ |
業務相談(仕訳・経理業務・確定申告・消費税改正・マイナンバー) | – | – | – | ◯ |
サポート対応時間延長(確定申告時期) | – | – | ◯ | ◯ |
画面共有サポート※1 | – | – | ◯ | ◯ |
WebFAQ(よくある質問FAQ) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
弥生の口コミ評価は?
口コミ評価数と平均の評価点を確認してみると、弥生シリーズは赤枠の高いシェアと高い評価に位置していました。
<口コミ評価(点数)>
4.0
<口コミ数>
92
<口コミ1>
弥生会計オンラインは仕訳入力するだけで、毎日のわずらわしい元帳作成から試算表まで全てワンクリックで作成出来、入力間違いも簡単に訂正する事が出来るので、経理にかかる時間が大幅短縮できました。
<口コミ2>
会計に関する知識が少ない人にとっても、分かりやすい仕様になっています。
年額3万円のベーシックプランに申し込めば、オペレーターの充実したサポートが受けられます。
メールやチャットで質問できるだけでなく、パソコンの画面上でオペレーターのアドバイスを受けられます。
<口コミ3>
口座明細の取り込み、レシートの読み込みが便利と
口コミが多くそんなに便利ならと利用してみましたが、
口座明細の自動取り込みはすごく便利ですが、科目間違いが結構多く直すのに手間がかかる。
導入前に一度試してみることをオススメ
どの会計ソフトも言えますが、クラウド型の場合は無料トライアルや無料プランで利用することができるサービスが多いため、導入前には使い勝手や利用したい機能が搭載されているかを確認するために利用してみることをオススメします。
ただ、いくらサポートがしっかりしていると言っても、基礎の簿記知識がないとどの会計ソフトも利用するのは大変なため、知識をインプットしておくか、外部の人に依頼をするなども検討しておくと良いかもしれません。
クラウド会計の関連記事
クラウド会計関連の記事をまとめていますので参考にしてみてください!
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回はクラウド型の会計ソフトで個人事業主向けでシェア1位の弥生シリーズについてまとめてみました。個人事業主向けでは確定申告に合わせて白色申告オンラインと青色申告オンラインに分かれているようです。無料で利用できるプランやトライアルがありましたので、ぜひ導入前には使ってみると良いと思います。
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