RPAとAIの違いは?それぞれの特徴から事例まで徹底解説!

RPAとAIの違いは?それぞれの特徴から事例まで徹底解説!

RPAとはロボティク・プロセス・オートメーションの略でロボットによる作業の自動化を意味し、AIは人工知能のことで人間に変わって物事を判断することを意味しています。それぞれ”人間の代わりに”という点では同じですが、実際の作業と判断という違いがあります。より具体的な定義の違いや事例も踏まえて解説していきます。

RPAとAIって一緒のことに感じるんだけど、違いってなんだろう?

RPAは”作業”の自動化、AIは”判断”の自動化なんだけど、実際の製品はそれぞれ似通っているものが多いからね。定義から整理してみよう!

RPAとAIの定義の違い

RPAとAIは身近なツールではRPAともAIとも言えるようなサービスが多く普及しています。ツール自体がRPAなのかAIなのかは活用されている技術によって異なりますが、実際はどのような定義分けがされているのでしょうか?

【入門編】PRAとはどのようなサービス?特徴から活用事例まで幅広く紹介!

RPAは実作業の自動化がメインの役割

RPAはプロセスのオートメーションとあるように、作業プロセスの自動化を意味しています。RPAの定義は要約すると「人間のみが対応可能と想定されていた作業を代行・代替する取り組み」と紹介されています。「ルールエンジンやAI、機械学習等を含む認知技術を活用して」とあるので、RPAの自動化するプロセスの中に、AIや関連技術が活用される場合があることがわかります。

ロボティックプロセスオートメーション(Robotic Process Automation)、通称RPAは、これまで人間のみが対応可能と想定されていた作業、もしくはより高度な作業を、人間に代わって実施できるルールエンジンやAI、機械学習等を含む認知技術を活用して代行・代替する取り組みです(※)。

今回は、このところ国内の金融機関でも導入が急速に拡大しているRPAの代表的な機能や導入の留意点を説明します。

日本RPA協会

AIは人工的に作られた知能を作る技術

AIにもいくつかモデルがあり、機械学習やディープラーニング、ニュートラルネットワークなどがあります。人工(Artificial)」+「知能(Intelligence)」を組み合わせた単語で、「言語の理解や問題解決などの知的行動を人間に代わってコンピュータに行わせる技術」とされています。

AIに関する定義はまだ明確なものは決まっておらず、研究者のそれぞれが若干異なるニュアンスで定義を話しています。

人工的につくられた、知能を持つ実体。あるいはそれをつくろうとすることによって知能自体を研究する分野である

公立はこだて未来大学学長 中島 秀之

人工的につくられた人間のような知能、ないしはそれをつくる技術

東京大学大学院 工業系研究科准教授 松尾 豊

その中でも特に「知能」という部分についてより具体的に説明しようとすると「高度な推論」という言葉が適切なのではないかと思います。

大量の知識データに対して高度な推論を的確に行うことを目指したもの

一般社団法人 人工知能学会設立趣意書

RPAとAIの違い

それぞれRPAとAIの定義について紹介しました。ただ定義だけだとRPAのツールやAIのツールの違いについてまだイメージがつかない!という方が多いと思います。複雑に感じる理由の1つが、AIを搭載したRPAも存在しているという点です。それぞれサービスやカテゴリは異なりますが、人間に変わる判断をして、作業を自動化するようなサービスです。RPAとAIの違いを把握するためにRPAのフェーズの違いについてをまとめていきます。

フェーズ1のRPA

RPAには3段階のフェーズがあり、フェーズ1が今まで紹介してきたようなRPAです。元々は人間に代わって処理をする技術という意味からスタートしており、単純作業の効率化を対象としていました。ある程度、条件分岐などの概念は持つことができますが、何パターンも存在するとRPAでは手に負えない可能性が高いので、シンプルな作業での活用がメインです。

フェーズ2のRPAは「EPA」と呼ばれる

RPA以外の単語として「EPA」が出てきてしまい、戸惑った方もいるかもしれません。EPAとは「Enhanced Process Automation」の略で、「強力な手段の自動化」の意味です。強力な手段というとイメージがつきにくいかもしれませんが、「より人間のように判断することができる」という意味合いが近しいと思います。

フェーズ1のRPAでは単純作業の自動化がターゲットでしたが、パターンがありすぎてルール化できないような問い合わせ作業や画像の分類作業、家の中の掃除ルートなどができるようなロボットのことをEPAと呼びます。

フェーズ3は複雑な処理も可能で「CA」と呼ばれる

フェーズ3の段階になると、複雑な対応までAIが判断して、処理まで実行できる状態となります。このフェーズは「CA (Cognitive Automation)」と呼ばれ、経験的な知識に基づいた自動化処理を指します。今ではAIは機械学習を通して”人間が学習させたこと”しか対応することはできず、複雑な対応には不向きでした。CAのフェーズになると、AIが自ら学習をして複雑な対応まで自動的に処理することができます。

ただ、現状の技術ではAIが不適切な学習を進めてしまい、人種差別的な発言を行ってしまったりと、人間が制御しなければ適切な学習を行うことができないことが多いです。偏ったデータばかりを学習すると、想定以外の処理や判断がされてしまうケースがあるため、まだまだ実現するには時間がかかると見込まれています。

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RPAはどういった活用がされている?

飲食店では各店舗の売上データを本部へ送付することで、業務負荷を削減

例えば飲食店の場合は、当日の売上がどのくらいだったかを本部やオーナーへ報告する業務があります。通常はExcelデータにまとめて送付などの処理を人間が行う必要がありますが、毎日同じようにデータをダウンロードして、貼り付けて送付するというものは単純な作業というだけでなく、かなり時間が割かれます。

RPAを活用することで、このようなExcelでの処理からメール送付までを全て自動化することで、従業員の負荷を大幅に削減することができました。

不動産ではスキャンデータをデータベースへ登録する業務を自動化

不動産業界では紙媒体の資料のやり取りがいまだに多く、スキャンして電子化したデータをデータベースへ保管しておくという企業が少なくなりません。スキャンしたデータの種類を確認してデータベースへ打ち込む処理はかなり工数がかかります。毎回決まったデータを確認してデータベースへ入力する作業はRPAで自動化することができます。

複数人で行う場合よりも入力ミスなどが削減され、余剰時間を他の作業へと使うことができるようになりました。

人材業界では複数の求人媒体へ登録する作業をRPAで自動化

アルバイトの募集などを代行しているような人材業界では、依頼があった際に複数の求人メディアに登録をして求人を集めます。そのようば場合でもRPAを活用することができます。依頼があった際にあらかじめ登録に必要な情報をExcelでまとめていれば、都度、メディアへ登録しなくともRPAが自動で入力し、登録ボタンまで押すことができます。

生産性が格段に向上し、よりリアルタイムで対応をすることができるようになりました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回はRPAとAIの違いやRPAでの活用事例について紹介しました。RPAの中でもAIが活用されているツールやサービスがあり、定義だけでは一概に両者の区分を判断することが難しかったと思います。RPAは大きくはロボットを使った自動化という定義のため、様々なサービスに当てはめることができます。このRPAの市場規模は年々増加し、関連サービスも増えているので、ぜひ活用してみると良いでしょう。

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