各企業でペーパーレス化に加え、リモートワークの環境構築の一環として電子契約サービスを導入する企業が急増しています。これまでは紙文書の送付や受け取り、捺印など締結までに多くの工数が発生していました。電子契約サービスを導入することで全てがオンラインで完結するため、これらの工数が削減されるだけでなく、締結までのスピードが大幅に向上します。電子契約を提供しているサービスは国内・国外ともにかなり多いのですが、どのサービスがトップシェアを誇っているのでしょうか?
電子契約を提供しているサービスが多くて比較しづらいな。
電子契約市場はかなり急成長していてプレイヤーが多いからね。
この機会にシェア比率をまとめてみよう!
電子契約とは一体どんなサービス?
電子契約はこれまで紙文書で締結していた契約をオンライン上で締結することができるサービスのことです。関連法律が整備され、オンライン締結でも紙文書での締結と同じように法的な効力を持つことが電子署名法に記されています。
コロナをきっかけに多くの企業で導入が進められ「企業IT利活用同行調査2021」によると約7割の企業が導入済みで、準備中・検討中まで含めると企業の8割以上を占める結果となっていました。
電子契約は法律で定められた3つの構成要素(本人証明・非改ざん性の証明・存在証明)の証明が必須とされています。電子契約は電子署名・電子証明書・タイムスタンプの技術を活用することで上記の3つの構成要素を証明できるような仕組みとなっています。
より詳しく知りたい方は8割以上の企業が導入の電子契約とは?仕組みから活用事例まで紹介!にまとめていますので、参考にしてみてください。
また、そもそも電子契約を導入することでどういったメリットがあるの?という方は電子契約を導入するメリットを徹底解説!郵送や印紙税削減以外の効果とは?の記事をご覧ください。
電子契約サービスの市場規模
ITRの電子契約サービス市場規模推移および予測(2019~2025年度予測)によると2021年では176億円でその後2025年までに440億円まで成長すると見込まれています。2021年時点でも多くの企業が導入をしていますが、今後はより中小企業での導入が進んでいくと推測されています。
電子契約サービスのシェアはどのくらい?
電子契約サービスはざっと国内市場のプレイヤーを見ても30社以上います。電子契約をこれから導入検討する際に大変だと思いますので、今回はシェアについてまとめていきたいと思います。
シェアを公表している資料は見つからない
各社のシェアを調査した結果、外部調査機関による電子契約サービスのシェアを公表しているデータは見つかりませんでした。ただ、弁護士ドットコム株式会社が提供しているクラウドサインにいついては、株式会社富士キメラ総研が刊行した市場調査レポート「ソフトウェアビジネス新市場 2021年版」において、市場シェアNo.1を獲得したとリリース案内がされていました。
クラウドサインは自社サービスページで、「市場シェア8割」と公表をしているため、多くの企業がクラウドサインを利用していることが想定されます。
口コミの評価数を市場シェアとして試算をしてみる
以前こちら【厳選30社!】電子契約サービスはどこがオススメ?料金から口コミ評価まで徹底比較!の記事で電子契約サービスを提供しているベンダー30社の口コミ評価数と点数についてまとめました。口コミ評価数は市場シェアと一定の相関があると仮定し、口コミ評価数から独自で試算を行ってみたいと思います。
<ベースとなる情報 ※2021年10月調べ>
NO | サービス | 口コミ評価(点数) | 口コミ数 |
1 | クラウドサイン | 4.4 | 194 |
2 | BtoBプラットフォーム | 3.9 | 75 |
3 | WAN-Sign | 4 | 1 |
4 | 電子印鑑GMOサイン | 4.2 | 46 |
5 | ContractS CLM | 5 | 6 |
6 | NINJA SIGN by freee | 4 | 31 |
7 | DocuSign(ドキュサイン) | 4 | 65 |
8 | Adobe Sign | 4 | 35 |
9 | CONTRACTHUB@absonne | 3.5 | 1 |
10 | jinjerサイン | – | – |
11 | 契約大臣 | – | – |
12 | リーテックスデジタル契約 | 4.8 | 11 |
13 | かんたん電子契約 for クラウド | – | – |
14 | paperlogic電子契約 | 4.2 | 5 |
15 | SATSIGN | – | – |
16 | ラクラク電子契約 | – | – |
17 | e-sign | – | – |
18 | LegalForce | 4.6 | 5 |
19 | Hubble(ハブル) | – | – |
20 | CECTRUST-Light | 4 | 3 |
21 | クラウドスタンプ | 3.9 | 6 |
22 | 電子契約プラットフォームβ | – | – |
23 | IMAoS(イマオス) | 4.1 | 10 |
24 | Zoho Sign | 3.5 | 8 |
25 | Hello Sign | 4.7 | 3 |
26 | DottedSign | 3.8 | 3 |
27 | CMサイン | – | – |
28 | SignUpOne | – | – |
29 | DD-CONNECT | – | – |
30 | FAST SIGN | – | – |
口コミ数ベースでの推定シェア
今回は30社分のデータしかありませんが、その中で口コミ評価数が確認できたところのみで概算してみました。
※口コミ評価が不明なところは0%として表示しています
今回は口コミ評価数がtotalで508個ありましたので、標本誤差は最大で±4.5%以内になる想定です。
口コミ評価数からのシェア試算
シェア試算の結果は下記のようになりました。クラウドサインが公表していたシェア8割という数字の半分くらいとなりましたが、クラウドサインは「業界シェア8割、導入企業14万社以上のNo.1電子契約サービス」と謳っており、仮に14万社から逆算すると母数が17.5万社しかいないことになり、日本の中小企業の約360万社のうち5%にも満ちません。
そのため、シェア8割よりも低い結果となりましたが、より現実的な数字に近しいのではないかと推測されます。市場シェアについてのモデルで「クープマンの目標値」がありますが、40%前後で安定的な業界の強者となるためクラウドサインのシェア1位の安定性は担保される数字と言えそうです。
NO | サービス | 推定シェア |
1 | クラウドサイン | 38.19% |
2 | BtoBプラットフォーム | 14.76% |
3 | DocuSign(ドキュサイン) | 12.80% |
4 | 電子印鑑GMOサイン | 9.06% |
5 | Adobe Sign | 6.89% |
6 | NINJA SIGN by freee | 6.10% |
7 | リーテックスデジタル契約 | 2.17% |
8 | IMAoS(イマオス) | 1.97% |
9 | Zoho Sign | 1.57% |
10 | ContractS CLM | 1.18% |
11 | クラウドスタンプ | 1.18% |
12 | paperlogic電子契約 | 0.98% |
13 | LegalForce | 0.98% |
14 | CECTRUST-Light | 0.59% |
15 | Hello Sign | 0.59% |
16 | DottedSign | 0.59% |
17 | WAN-Sign | 0.20% |
18 | CONTRACTHUB@absonne | 0.20% |
19 | 契約大臣 | 0.00% |
20 | かんたん電子契約 for クラウド | 0.00% |
21 | SATSIGN | 0.00% |
22 | ラクラク電子契約 | 0.00% |
23 | e-sign | 0.00% |
24 | Hubble(ハブル) | 0.00% |
25 | 電子契約プラットフォームβ | 0.00% |
26 | CMサイン | 0.00% |
27 | SignUpOne | 0.00% |
28 | DD-CONNECT | 0.00% |
29 | FAST SIGN | 0.00% |
30 | jinjerサイン | 0.00% |
他の料金と口コミ評価の関係や特徴などについて気になる方はこちらにもまとめていますので、参考にしてみてください。【厳選30社!】電子契約サービスはどこがオススメ?料金から口コミ評価まで徹底比較!
電子契約を導入するメリット
電子契約を導入する際は、いくつか注意点が必要ですが、多くのメリットを得ることができます。
電子契約は印紙税や郵送コストの削減、人件費の抑制、リモートワークへ向けた労働環境の改善など多くのメリットが得られます。特に市場の変化が激しい現代では締結までのスピードも向上することができるというものが一番大きいのではないでしょうか?
アライアンスがそのまま商品やキャンペーンの打ち出し時期に影響されるため、波に乗っているトレンド商品やサービスにいち早く対応することができます。
詳しくは電子契約を導入するメリットを徹底解説!郵送や印紙税削減以外の効果とは?にメリットをまとめていますのでぜひ参考にしてみてください。
また、電子契約には対応している契約と対応していない契約があります。電子契約の法律周りについて確認したい!という方は電子契約の効力はある?近年整備された契約に関する法律まとめ!の記事も参考にしてみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は電子契約サービスのシェアについてまとめてみました。それぞれ企業が提供していう情報だけでは試算が難しいため、口コミ評価数を用いて試算をしました。クラウドサインがシェア1位ということに代わりはありませんが、3位以下のシェアでは拮抗していることが予想されます。今後サービス導入を検討される際はぜひ参考にしてみてください。
電子契約の記事まとめ
カテゴリ | 記事 |
入門編 | 8割以上の企業が導入の電子契約とは?仕組みから活用事例まで紹介! |
比較 | 【厳選30社!】電子契約サービスはどこがオススメ?料金から口コミ評価まで徹底比較! |
メリット | 電子契約を導入するメリットを徹底解説!郵送や印紙税削減以外の効果とは? |
シェア | 電子契約サービスのシェアはどのくらい?トップシェアはやはりあの企業! |
法律 | 電子契約の効力はある?近年整備された契約に関する法律まとめ! |
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