電子契約を導入する7つのメリット!郵送や印紙税削減以外の効果とは?

電子契約を導入する7つのメリット!郵送や印紙税削減以外の効果とは?

ここ数年の間に契約書は紙文書から電子文書へと移行が急激に進みました。法整備が整い、コロナをきっかけにリモート環境でのワークススタイルが進んだことで、今では導入済み〜導入検討中まで合わせると企業全体の8割以上を占めています。電子契約を導入することで全ての処理をインターネット上で完結させることができるため、郵送コストや印紙税などの経費を削減することができます。コスト削減以外ではどのようなメリットがあるのでしょうか?

電子契約を導入すべきかどうかを悩んでいるんだけど、どんなメリットがあるんだろう?

電子契約はコスト削減だけでなく、企業の成長にもつながるというメリットがあるよ!

おさらい:電子契約とは?

電子契約とは電子文書に電子署名をする契約のこと

電子契約とはこれまでの紙での契約書に印鑑を捺印するのではなく、PDFなどの電子文書に電子署名をすることで締結する契約のことを指します。契約書の送付から確認、署名までをすべてインターネット上で完結することができます。

2021年の電子契約の利用状況のアンケート調査によると67.2%の企業は電子契約を導入しており、利用検討中・準備中も合わせると84.9%と8割以上を占めています。

電子契約は3つの構成要素で成り立つ

電子契約には法律で定められた以下の3つの要素を満たすことが必須とされています。

  1. 本人証明
  2. 非改ざん性の証明
  3. 存在証明

本人証明は「本人であることの証明」、非改ざん性の証明は「改ざんされていないことの証明」、存在証明は「作成された日時の証明」を意味しています。

電子契約では

  • 電子署名
  • 電子証明書
  • タイムスタンプ

の3つの技術を活用することで上記の証明を果たしています。

電子契約は法的な効力を持つ

電子契約は紙での契約と同様に法的な証拠力が認められています。電子署名法には下記のように記載がされています。

電子契約のような電子データの場合にも同様の規定があり、作成者本人による電子署名がなされた電子契約については、押印した契約文書と同様の効力が認められます

(電子署名法第3条)

電子契約の基本についてもう少し詳しく知りたい!という方は8割以上の企業が導入の電子契約とは?仕組みから活用事例まで紹介!を参考にしてみてください。

電子契約を導入する7つのメリット

電子契約を導入することでこれまでかかっていた経費削減のメリットが大きいですが、それ以外にもメリットが多くあります。今回は7つにまとめて紹介します。

1.印紙税の削減

紙での契約の場合は「印紙税法」の第2条に課税対象となる文書について規定がされており、契約を行う際には印紙税を納めなくてはいけません。しかし、電子契約の場合はでは内閣総理大臣による答弁や国税庁への照会での回答で「電子文書には印紙税が課税されない」と明言されており、この印紙税のコスト削減をすることができます。

2.郵送コスト削減

紙での契約の場合は、契約書の確認・修正のやり取りなどで複数回往復することが普通です。郵送の度に郵送料が発生していましたが、電子契約の場合は全てをインターネット上で確認・修正のやり取りを行うことができます。これまでかかっていた郵送コストを削減することができます。

3.紛失・漏洩のリスク削減

紙での契約は物理的に管理する必要があり、持ち出しや保管など紛失や漏洩のリスクが常について回ります。電子契約の場合は、契約書を物理的に持ち出すという行為が発生しないため、紛失や漏洩のリスクはなくなります。2018年 情報セキュリティインシデントに関する調査報告書によると個人情報漏洩の場合は、1件あたり平均想定損害賠償額は6億3767万円にまで登るとされています。電子契約の導入は会社のコンプライアンス強化につながるため、大きなメリットの1つと言えます。

4.保管場所や物理的セキュリティ対策の費用削減

紙での文書の場合は保管場所の確保や、保管場所での物理的なセキュリティ対策を行う必要があります。会社の中でも専用の場所を確保し、セキュリティカードなどで特定の人しか入れないような対策をしていることが多いですが、その構築や維持にも大きな金額が発生しています。電子契約の場合は全てが専用のサーバーへ自動保存されるため、物理的に管理する必要がなくなります。

また、保管されている契約書を探す場合も物理的な紙文書の場合は大変でしたが、電子契約の場合はすぐに検索することができるため、かなり時間の短縮につながります。

5.締結までの時間削減

紙と電子での大きな違いが締結までのスピードです。特に最近では市場のトレンドは変化しやすく、スピード感がとても大切です。業務アライアンスや商品開発などで他社へ遅れを取らずに優位に勧めていくためにもどれだけ早くに仕事を進めることができるかに関わってきます。紙文書の場合は数週間から数ヶ月かかることが一般的ですが、電子契約の場合は数日で完了できる場合がほとんどです。

6.人件費の削減

紙での契約の場合は、郵送・社内回覧・捺印・契約文書の確認や校正など物理的な工数が多く発生しており、その分、人手を増やすことで対応をしてきました。会社の規模が多くなればなるほど人を増やさなくてはいけないケースが多かったですが、電子契約の場合は非常に効率よく進めることができます。特に急成長の会社では取引先の企業が多くなりますが、人を増やさずとも対応ができるため、人件費の削減につながります。

7.労働環境の改善

昨今ではリモート環境を整える企業が多く、社員の大半がリモートで仕事が完結できるようになっています。ただ、郵送業務などを初め、出社をしないと対応できないケースも多くなります。電子契約にすることで出社することなく全てをインターネット上で完結することができるため、社員の労働環境の改善にもつなげることができます。

電子契約を導入する際のデメリット

電子契約を導入することによるメリットはかなり大きいのですが、一方で注意しなければいけないデメリットもあります。導入前に把握しておきましょう。

取引先に使ってもらう必要がある

電子契約は自社で導入するだけで良いというわけではなく、実際に取引先に電子契約を使って契約することの承認をしてもらう必要があります。今では大半の企業が導入済みなので、心配はないかと思いますが、取引先によっては電子契約に理解を示してくれないケースがありますので、注意が必要です。

社員に理解をしてもらう必要がある

電子契約を導入することで、これまでは法務担当者へ丸投げしていた締結作業で、一部業務フローが変更となります。取引先の担当者へ電子契約で問題ないかの確認や、アカウント作成の招待・利用手順の説明などが発生します。営業担当などの業務工数が増えるケースがありますので、導入後は社員の理解を得ることやツールの利用方法の説明などを周知させることが必要です。

全ての契約に使えるわけではない

法的な整備によって大半の契約は電子契約で締結することが可能ですが、一部契約は法的に紙文書での締結が義務付けられているため、注意が必要です。導入前に問題ないかを確認しておくことをオススメします。

  • 定期借地契約借地借家法22条
  • 定期建物賃貸借契約借地借家法38条1項
  • 投資信託契約の約款投資信託及び投資法人に関する法律5条
  • 訪問販売、電話勧誘販売、連鎖販売、特定継続的役務提供、業務提供誘引販売取引における書面交付義務特定商品取引法4条etc

電子契約では対応ができる契約と対応していない契約があります。詳しく法律周りについて知りたいという方は電子契約の効力はある?近年整備された契約に関する法律まとめ!の記事も参考にしてみてください。

代表的な電子契約サービス

電子契約サービスは国内・国外ともに幅広いサービスがあります。基本は法的に定められた基準を満たす必要があるため、近しい機能ですが、使いやすさや他ツールとの連携、価格設定などで違いがあります。

シェア8割を超えるクラウドサインが一番有名ですが、他のサービスもよく比較検討に上がることが多いです。

  1. クラウドサイン
  2. BtoBプラットフォーム
  3. WAN-Sign
  4. 電子印鑑GMOサイン
  5. ContractS CLM

より詳しく知りたい方は【厳選30社!】電子契約サービスはどこがオススメ?料金から口コミ評価まで徹底比較!の記事で30社の比較を行なっていますので参考にしてみてください。

また、電子契約サービスを導入する上で、シェアも把握しておきたい!という方は電子契約サービスのシェアはどのくらい?トップシェアはやはりあの企業!の記事も参考にしてみてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は電子契約を導入することで得られる7つのメリットについてまとめてみました。印紙税や郵送コストの削減だけではなく、会社としてのコンプライアンス強化や労働環境の改善など多くのメリットが確認できたと思います。大半の企業が導入をしていますので、今後利用する機会も増えてくることでしょう。

電子契約の記事まとめ

カテゴリ記事
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