クラウド型の人事労務サービスは労務手続き、給与計算、勤怠管理など幅広い業務をカバーしているため、サービスによっては勤怠管理だけなどの1つの業務だけしか提供していないところもあれば、会計や法務周りも含めて全ての業務をカバーしているようなサービスもあります。一括りに人事労務といっても幅広く、サービスベンダーもかなり多いです。今回はクラウド人事労務という枠組みでカテゴライズした場合での推定シェアについて算出してみました。
クラウド人事労務のサービスのシェア1位ってどこの企業なんだろう?
人事労務といってもいくつかの業務があって幅広いからね。
公開しているところが少ないから推定シェアを算出してみると良いかも!
おさらい:クラウド人事労務ってなんのこと?
クラウド人事労務とは人事や労務業務を効率化させるためのクラウドシステムのこと
人事や労務の業務範囲は入社手続きでの雇用契約書の作成から住所登録、振込口座登録の手続き関連から勤怠管理や給与計算などの幅広いです。人事労務システムは大きく勤怠管理、給与計算、労働手続きの3つの機能から成り立っており、それぞれ勤怠クラウドや給与計算クラウド、労務クラウドなどのサービス名称で提供されているケースがほとんどです。
クラウド型はインターネットへ接続するだけで利用することができるサービスで、Googleが提供しているスプレッドシートやスライドなども代表的なクラウドサービスの1つです。ソフトウェアが自動でアップデートされるため、常に最新バージョンで利用することができたり、リモートワークでも対応することができるため、近年のサービスはほとんどがクラウド型です。
クラウド人事労務サービスは効率化だけがメリットではない!?
人事労務周りの業務はいくつかの業務同士を連携させることで自動化することができるため、効率化という点で一番大きなメリットがあります。ただ、それだけでなく、会社のコンプライアンスを強化することが可能です。クラウドサービスの場合は全てをシステム上で処理・管理することができるため、作業ログが残るだけでなく、作成した書類を専用のサーバーへ自動で保存しておくことができます。
これまで持ち出しによる紛失や漏洩などのリスクがあった紙書類もシステム上であればそのようなリスクがなくなります。また少ないとは思いますが不正行為についてもログで履歴を確認することができるため、防止することができます。
クラウド人事労務システムのシェアは?
シェアの推定方法
クラウド人事労務システムのシェアを調べてみると、公開されているアンケート結果を見つけることができませんでした。各ベンダーでのサービスページではいくつかのカテゴリでシェア1位を謳っている企業がいくつかあり、さらに情報が混乱する原因になっていました。
今回は調査した口コミ評価数をベースにして、全体の口コミ評価数のうち、対象となった企業がどのくらいの割合を占めているのかによって推定を行なってみました。人事労務カテゴリといっても幅広いため、総合的なサービスの評価になりますが、今回は下記で推定シェアを算出したいと思います。
今回比較する企業一覧
前回の記事【厳選29社】クラウド人事労務サービスはどこがおすすめ?費用から口コミ評価まで徹底比較!で調べた企業29社を対象にして実施したいと思います。
NO | カテゴリ | <口コミ評価(点数)> | <口コミ数> |
1 | SmartHR | 4.3 | 370 |
2 | jinjer | 3.8 | 155 |
3 | 人事労務freee | 4.1 | 154 |
4 | ジョブカン | 4.1 | 119 |
5 | マネーフォワード クラウド人事管理 | 4.1 | 106 |
6 | リシテア 就業管理クラウドサービス | 3.9 | 93 |
7 | AKASHI | 3.8 | 86 |
8 | フリーウェイタイムレコーダー | 4.5 | 45 |
9 | スマイルワークス | 4.8 | 44 |
10 | オフィスステーション | 3.8 | 41 |
11 | 楽楽労務 | 4.1 | 38 |
12 | sai*reco(サイレコ) | 3.9 | 18 |
13 | CLOUZA | 3.6 | 16 |
14 | やよいの給与明細 オンライン | 4.7 | 16 |
15 | COMPANY | 3.4 | 15 |
16 | 総務人事奉行クラウド | 3 | 6 |
17 | 社労夢 | 2.9 | 3 |
18 | Workcloud | 3.4 | 2 |
19 | クラウドハウス労務 | 4.5 | 2 |
20 | ARROW | 0 | 0 |
21 | BizWork+ | 0 | 0 |
22 | Cells給与 | 0 | 0 |
23 | DirectHR | 0 | 0 |
24 | e-AMANO | 0 | 0 |
25 | e-就業OasiS | 0 | 0 |
26 | Gozal | 0 | 0 |
27 | Hachikin | 0 | 0 |
28 | KING OF TIME for ビジネスプラス | 0 | 0 |
29 | SPIRAL HRクラウド | 0 | 0 |
試算結果の誤差範囲について
今回の口コミtotal数は1,329件と1,000件オーバーでしたので、最大誤差でも±3.2%ptと誤差範囲は小さい見込みです。
クラウド人事労務の推定シェアの結果
クラウド人事労務は口コミ数が0の場合がいくつかあり、今回はフィルターをかけて排除しています。そのため、こんんかい対象とした29社のうち、19社を下記グラフへ表示させています。
結果としてはSmartHRが約30%と一番高く、jinjer、freeeが約11%と続いています。
<クープマンの目標値>
- 独占的市場シェア:73.9%
- 相対的安定シェア:41.7%
- 市場影響シェア:26.1%
- 並列的上位シェア:19.3%
- 市場的認知シェア:10.9%
- 市場的存在シェア:6.8%
- 市場橋頭堡シェア:2.8%
市場シェアの理論であるクープマンの目標値を見てみると、SmartHRは市場影響を及ぼすシェア、jinjerとfreeeは市場的認知シェアであることがわかります。クラウド会計ソフトの市場や電子契約の市場などと比べると、シェア5%〜10%未満のミドル層のサービスが厚いことがわかります。
サービス | 推定シェア |
SmartHR | 27.84% |
jinjer | 11.66% |
人事労務freee | 11.59% |
ジョブカン | 8.95% |
マネーフォワード クラウド人事管理 | 7.98% |
リシテア 就業管理クラウドサービス | 7.00% |
AKASHI | 6.47% |
フリーウェイタイムレコーダー | 3.39% |
スマイルワークス | 3.31% |
オフィスステーション | 3.09% |
楽楽労務 | 2.86% |
sai*reco(サイレコ) | 1.35% |
CLOUZA | 1.20% |
やよいの給与明細 オンライン | 1.20% |
COMPANY | 1.13% |
総務人事奉行クラウド | 0.45% |
社労夢 | 0.23% |
Workcloud | 0.15% |
クラウドハウス労務 | 0.15% |
ARROW | 0.00% |
BizWork+ | 0.00% |
Cells給与 | 0.00% |
DirectHR | 0.00% |
e-AMANO | 0.00% |
e-就業OasiS | 0.00% |
Gozal | 0.00% |
Hachikin | 0.00% |
KING OF TIME for ビジネスプラス | 0.00% |
SPIRAL HRクラウド | 0.00% |
口コミ評価数と評価点のマッピング
市場シェアの試算に加えて、口コミでの評価はどうなのかがわかるように、マッピングを行ってみました。右上の象限が口コミ評価数も高く、口コミ評価点が高いグループになります。
SmartHRはシェアが高いだけでなく、口コミ評価としても高い評価を得ていることがわかります。
クラウド人事労務を選ぶ時の注意点
クラウドサービス全般に当てはまることですが、クラウドサービスを利用する場合は、利用したい機能が搭載されているか、外部サービスとの連携ができるか、操作性は問題ないかを確認しておきましょう。多くのサービスが無料トライアルを提供しているため、実際に使い勝手を確かめた上で導入を検討することができますので、ぜひ積極的に活用してみましょう。
特に人事労務周りの手続きは既に会社で利用しているシステムや設備との連携ができるかどうかで導入による効果に差が出て来ますので、慎重に見たいポイントの1つです。
クラウド人事労務関連の記事
クラウド人事労務管理システムに関連する記事一覧です。気になる記事があればぜひ参考にしてください!
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はクラウド人事労務について口コミ評価による推定シェアの算出を行いました。SmartHRがこのカテゴリだと頭1つ抜けてシェアが高く続いて他サービスが続いていました。ミドル層でのサービス提供ベンダーが多かったため、今後の契約更新のタイミングで乗り換えなどが発生して、シェア順位が変わってくると想定されます。まだサービスを使っていないという方はこの機会にぜひ検討してみてはいかがでしょうか?
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