RPAの活用を検討し始めると、ツールが多すぎて驚きます。RPA市場は年々増加をして2023年には1500億円の市場まで成長すると見込まれています。昔はPCごとにセッティングが必要であったり、年間金額もかなり膨大のツールがほとんどでしたが、近年では低価格でインターネットへ接続するだけで利用が可能なクラウド型のツールも登場しています。今回は厳選した15社のツールの特徴や価格、口コミなどについて紹介していきます。
RPAツールってかなりサービスが多くて、どこが良いのか分からないな〜
RPAは市場が伸びているから海外製品も含めてかなり種類が多いよね。
15社をまとめて比較してみよう!
そもそもRPAとは何か?
RPAは自動化ツール
RPAとはロボティック・プロセス・オートメーションの略で、ロボットを利用して人間が行っている作業を自動化することができるツールです。普段のExcelでの作業やデータベースへの入力作業、資料ダウンロードや格納などの業務を自動化することが可能です。日本では2017年ごろに登場し、2018年〜2019年にかけて爆発的に伸びた市場です。
Excelのマクロとの違いは何か?
業務の自動化というと、Excelのマクロでも可能です。集計や整形などボタン1つであらかじめ作成したプログラムに沿って自動で実行されます。それではExcelのマクロの機能とRPAとは何が異なるのでしょうか?
答えは「対応範囲の違い」です。ExcelではExcel内での自動化を行うことができますが、Excel以外の範囲となると実行することができません。RPAの場合は、ExcelやPC画面、Webブラウザなどあらゆる箇所を横断的に操作することが可能です。
例えばWebで特定のキーワードを検索して、上位のキーワードだけをExcelに保管することや、データベースへアクセスして資料をダウンロードすることなども可能です。
より詳しく知りたい方はこちらの記事にもまとめていますので参考にしてみてください。
【入門編】PRAとはどのようなサービス?特徴から活用事例まで幅広く紹介!
RPAの3つの段階
RPAでは大きく3つのフェーズに分かれており、それぞれ言い方が異なります。
- 第1フェーズ:RPA
- 第1フェーズ:EPA
- 第1フェーズ:CA
RPAはシンプルな作業の自動化
RPAは一番最初のフェーズで、単純作業の効率化に特化しているケースがほとんどです。条件分岐をつけるなどの設定はできますが、予め登録した作業や判断にマッチしないものはエラーとして認識されてしまいます。最初に登録できる範囲であれば、自動化を行うことができるという点で、単純作業の効率化に特化しているロボットだと言えます。
EPAはAIが搭載されたRPA
EPAは「Enhanced Process Automation」の略で、「強力な手段の自動化」の意味です。RPAと異なり、AIを活用して予め想定した条件でなくてもAIが判断することができるようなツールです。例えばチャットボットは質問と回答を登録しておくと、「どのような質問に対して、どの回答を出すのか」をAIが判断して対応してくれます。全てのユーザーの想定質問をあらかじめ登録しておくことは不可能なので、AIを活用しています。
EPAはある程度AIが判断できますが、さまざまな情報を加味して判断するなどの複雑な判断や分類は行うことができません。
複雑な処理も人間と同じように対応が可能なCA
CAは「Cognitive Automation」の略で経験的な知識に基づいた自動処理を意味します。EPAまでは人間が学習させた内容に対してAIが自動で判断を行うことができましたが、学習していない内容に対しては判断することができませんでした。
CAではAIが自ら学習を行い、人間が都度学習をさせなくても自動的に判断をすることができるフェーズです。ただ、自動学習にはこちら差別主義者と化したAIボット「Tay」からマイクロソフトが学んだことのようなリスクもあり、まだビジネスの世界で実用化まではほとんど至っていません。
詳しくはこちらRPAとAIの違いは?それぞれの特徴から事例まで徹底解説!にもまとめていますので参考にしてみてください。
RPA導入による効果
RPAを導入することで単純作業の自動化だけでなく、労働環境の向上、会社としてのサービス品質の向上を目指すことができます。
単純作業の自動化によるコスト削減
会社の業務を見渡してみると多くの単純作業があることに気づきます。人材派遣やアウトソーシングなどを鑑みても、多くのコストが発生しています。RPAではリソース関係なく自動化することができますので、ツールの導入費用以上に多くの働きをしてくれます。
単純作業をなくして労働環境の向上
単純作業は離職への要因の1つです。繰り返しの作業は精神的にも肉体的にも負荷が高く、労働環境悪化の要因となります。RPAで自動化することで、よりクリエイティブでインパクトある業務へと人員配置することが可能です。
人的ミスを防止してサービス品質の向上
また人間が行う作業はどうしてもミスがつきまといます。RPAを活用することで大規模や作業をミスなく実行することができ、サービス品質を向上させることが可能です。
RPA導入の際の比較のポイント
RPAを導入する際は、費用だけでなく、使いやすいさをみておくことが大切です。多くのRPAツールで無料トライアルを実施していますので、導入前にテスト利用をしてみることをオススメします。
費用対効果が見込めそうか?
RPAを導入することの一番の目的はコスト削減です。導入による効果が費用と見合っているかどうかを最初に試算しておきましょう。
エンジニアでなくとも利用しやすいか?
実際にRPAを活用する人はエンジニアでない場合がほとんどです。エンジニアでなくともRPAが利用することができるかのを確認しておきましょう。
どの自動化まで対応することができるか?
導入前に自動化する作業を洗い出して相談しておきましょう。ツールによっては実現できないものも多いため、あらかじめどのような業務の自動化をしたいかを決めておく必要があります。
厳選15社のRPAツール比較
お待たせしました。やっと本題のツール比較について紹介していきます。
今回紹介する15社ツールと料金体系について
下記15社について特徴と、口コミ評価をまとめていきたいと思います。料金や無料トライアルについては比較がしやすいように一覧でまとめてみましたので、参考にしてみてください。
NO. | サービス | 費用 | 無料版 |
1 | Uipath | 4.3万円/月〜 | あり |
2 | Power Automate | 1,630円/ユーザー/月〜 | あり |
3 | Blue Prism | 10万円/月〜 | あり |
4 | Automation Anywhere | 8-9万円/月〜 ※750USD | あり |
5 | Win Actor | 7-8万円/月〜 | あり |
6 | Robo TANGO | 5万円/月〜 | あり |
7 | BizRobo! | 7.5万円/月〜 | あり |
8 | Biztez cobit | 10万円/月〜 | あり |
9 | AUTO ジョブ名人 | 5万円/月〜 | あり |
10 | NICE Robotic Process Automation | 29万円/月〜 | ? |
11 | Pega Robotic Automation | 非公開 | あり |
12 | WorkFusion | 非公開 | あり |
13 | SynchRoid | 5万円/月〜 | あり |
14 | ipaSロボ | 3.3万円/月〜 | あり |
15 | Verint | 非公開 | あり |
Uipath
<費用>
4.3万円/月〜
<無料トライアル>
あり
<特徴>
ロボット作成だけではなく、関連する業務をプラットフォームで一元管理することができる
<口コミ>
プログラミング経験がなくても利用することはできるが、プログラミングを理解している人にピッタリの商品
本格的な導入となると、IT知識というか、どんなものを作ったらいいか知識がないと、 あまり使えないようなロボットがたくさんできてしまうと感じた。 もう少し雛形のようなものも提供してほしいと思う。
自動化の精度や自由度がとても高いです。ただし、使い始めるには一つの言語で良いのですが、プログラミングの初歩知識が必須だと思います。 そこさえクリアできれば、色んなシステムやサービスをGUIでつなげることが出来るようになります。
Power Automate
<費用>
1,630円/ユーザー/年〜
<無料トライアル>
あり
<特徴>
テンプレートが用意されており、簡単に作成することができる
<口コミ>
無償でできる範囲で十分に使える。コード記述経験がない人でも、感覚的に業務を自動化していく事が可能です。 業務を紙などで書きながら説明できる方ならば、容易に使用できると思います
Office365を使ってるなら、簡単に自動化可能。Teamsでの通知自動化が可能なので、Listsなどと連携して簡易システムがサクッと出来る。
Office製品間での簡単な連携作業を自動化することができます。 比較的よくつかわれる設定は予めテンプレート的なものがあるので、始めやすいと思います。また、無料なのでRPAを始めてみたいという方にはうってつけだと思います。
Blue Prism
<費用>
10万円/月〜
<無料トライアル>
あり
<特徴>
機能の拡張性に優れている
<口コミ>
ライセンスが同時実行数なので、開発環境が全従業員に展開もできる。 月末しか使わないとか、決算しか使わないという部署も負担なしでスタートできる。
ヘルプが少し使いづらい出の、もう少しテンプレート等を 豊富にしてほしいと思います。 初心者だけでなく、ITリテラシーが高くなくても気軽に 使えるツールにしてほしいと思います。
WEB画面上で開発が可能で作成したアクションをフローやリストで表示ができるため、視覚的にもソースコード的にも参照できる点がわかりやすい。 コマンドも充実しており特にGCPやOffice365やAzureなどクラウドサービスへの対応が充実している。
Automation Anywhere
<費用>
8-9万円/月〜 ※750USD
<無料トライアル>
あり
<特徴>
大規模な実行でも実績があり、安心
<口コミ>
RPAのソフトとしては、プログラムかなりわかっている人だとわかりやすいソフトだと思います。 パターンも多く、また非常に細かい動きをみれるのは良いと思います。プログラムをかなり見れる部分では開発者にとっては非常にいいツールだと思います。
数あるRPAツールを使用してきた中で、色合いであったり、デザインであったり、 一番スタイリッシュでかっこいいという印象。
WEB画面上で開発が可能で作成したアクションをフローやリストで表示ができるため、視覚的にもソースコード的にも参照できる点がわかりやすい。 コマンドも充実しており特にGCPやOffice365やAzureなどクラウドサービスへの対応が充実している。
Win Actor
<費用>
7-8万円/月〜
<無料トライアル>
あり
<特徴>
ライセンス価格が安く、手軽に導入ができる
<口コミ>
基礎トレーニングを受講すれば操作はプログラムを知らない人でも割と簡単に取り組めます。
簡単に作成でき、実行できることから、Excelマクロが作成できる程度の知識で作成が簡易にでき、業務の省力化が可能になる。
動作が不安定な時がある
Robo TANGO
<費用>
5万円/月〜
<無料トライアル>
あり
<特徴>
リーズナブルで誰でも利用が可能
<口コミ>
1ライセンス5アカウントの為、プログラム作成に関しては一気に5台で作成出来る状態。24時間動かし続けると720時間分の作業短縮×集約人数分となる為、非常に効率よく作業を進めることが出来た。
まずは何よりも価格メリットです。他のRPAと比べても安価で導入ができるので気軽に導入できました。 UIの差はあれど、最終的にはほかのRPAでできる動作は何でもできます。
費用の安さを考えたら仕方ないとは思いますが、もう少し詳しいマニュアルや説明動画があるとよいと思います。 営業日を考慮した日付取得が分かりにくく、これは結構使用頻度が高い機能だと思うので簡単に設定できる機能が できると嬉しいです。
BizRobo!
<費用>
7.5万円/月〜
<無料トライアル>
あり
<特徴>
独自の内部ブラウザがあり、作業端末による影響を受けにくいく、操作が簡単
<口コミ>
サポートが充実しています。 こちらからの問い合わせに翌営業日にはほとんどの回答案を提案してくれます。 ロボット作成に大いに役立っています。
ロボットの作成中に常に最新の変数内の情報を見ることが出来、プログラム開発の初心者でも処理のイメージがしやすく通常のプログラムを書くことに比べれば作成難易度が非常に低い
ヘルプ画面の充実、機能別に分かりやすく分類されていない 欲しい情報を検索するのが難しい。ただしサポートが充実しているため、解決できないということはない。
Biztez cobit
<費用>
10万円/月〜
<無料トライアル>
あり
<特徴>
インターネット環境さえあれば気軽に導入することが可能
<口コミ>
他RPAも併用していますが、cobitは操作性に優れていて初めて使う方でも簡単に使えると思います。なので自分たちの業務改善点に対して、すぐにロボットを作成して検証・改善できるというスピード感が一番の魅力です。
画面UIがわかりやすそうに見えて、実はプロセスオートメーションの定義や自動化は難しいツールだと思っています。 適用範囲が限定的です。また、価格がAPIコール回数による課金というのもあり、戦々恐々しながらつかわなければならないのも敷居が高いと思っています。
それは簡単が故の拡張性かと思います。使い込んでいくうちに複雑な処理(処理方法によって複数パターンに条件分岐する、繰り返しメールを送る等)のフローを描けているのに、cobitでは作成できないということが時々発生します。
AUTO ジョブ名人
<費用>
5万円/月〜
<無料トライアル>
あり
<特徴>
Webページ、Windowsアプリなどの操作を簡単に自動化できる
<口コミ>
初心者でも簡単に利用ができる
安定したRPAが作成できる
サポート対応も丁寧でレスポンスが早い
NICE Robotic Process Automation
<費用>
29万円/月〜
<無料トライアル>
不明
<特徴>
日常業務を簡単に実施することができる
<口コミ>
残念ながら口コミは確認することができませんでした。
Pega Robotic Automation
<費用>
非公開
<無料トライアル>
あり
<特徴>
他言語に対応している
<口コミ>
コンタクトセンターで最適化を実現することができた
従業員の効率化を実現することができた
WorkFusion
<費用>
非公開
<無料トライアル>
あり
<特徴>
オートメーションに必要な機能を全て搭載している
<口コミ>
ブラウザ操作、Excel操作以外にも、OCRや、例外処理や、条件分岐など、数多くの操作、また細かな操作が行なえます。自動化したい作業を手作業で操作を登録するか、もしくは実際に画面操作等を行った内容をレコーディングするか、両方使用することが出来るので、WorkFusionの操作に慣れていない場合であれば、レコーディングで対応することが出来る。
操作できないわけではないが、できれば画面を日本語化してもらいたい。
何よりも無料でRPAを体験できるというのが大きい。昔からマウス操作自動化ソフトはあるが、無料のソフトの中では機能が充実している。
SynchRoid
<費用>
5万円/月〜
<無料トライアル>
あり
<特徴>
ノンプログラミングでロボット開発可能な開発インターフェースとスモールスタート可能な環境でユーザに優しい
<口コミ>
RPA界隈では有名な「BizRobo!」のOEM製品となります。 インストールをしてみると中身はBizRobo!と同一ですので、BizRobo!を使用していたユーザーであれば使いこなせるはずです。
ipaSロボ
<費用>
3.3万円/月〜
<無料トライアル>
あり
<特徴>
簡単な操作で複雑な条件でも設定が可能
<口コミ>
直感でクリックなどのコマンドを追加していくことで、実際の業務に沿ったスクリプトを作成可能、業務を自動化することが出来る点。
どうしてもオブジェクト認識が主となっているため、システムが変わった際のメンテナンスが必須な点。
Verint
<費用>
非公開
<無料トライアル>
あり
<特徴>
画像認識も対応することができる
<口コミ>
残念ながら口コミは見つけることができませんでした。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回はRPAツール15社の比較を行いました。費用や機能での差がツールによって見受けられました。口コミ評価も実際に利用しているユーザーの声ですので、非常にリアルで参考になる情報ばかりでした。RPAツールの導入を検討する際は、まずはどういった業務を自動化したいのかの洗い出しを行ってからツールの比較をしてみることをオススメします。
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