RPAは人間に代わって作業を自動化してくれるため、大変便利なサービスです。ただ一方で、RPAを導入したけど思ったような効果を感じなかったという企業も多いのが実態です。RPAの導入において成功と失敗の境とは何なのでしょうか?実は導入前の段階で成功するか失敗するかは決まってしまうのです。
RPAの口コミを見ていると、うまく行っている企業とうまく行っていない企業がいるみたいだ。
RPAは何でも自動化できるというわけではないから最初に見極めが重要だね!
RPAについておさらい
RPAはロボティック・プロセス・オートメーションの略で人間の作業をロボットによって自動化することを意味しています。ITシステムなどとは異なり、エンジニアでなくともロボットを作成できるようなUI設計となっており、非エンジニア業務の効率化を自動化することに使われています。特に経理などのバックオフィス関連の業務の自動化と相性がよく、多くの業務が自動化された実績があります。
よりこちら【入門編】PRAとはどのようなサービス?特徴から活用事例まで幅広く紹介!の記事で詳しく記載していますので、参考にしてみてください。
RPAを導入するメリットとデメリット
RPAは業務の自動化だけが目的ではない
RPAを導入することで単純作業を自動化することができますが、この自動化に伴って多くの効果が見込まれます。今回はその中でも代表的な3つを紹介します。
コスト削減効果
1つは業務自動化に伴うコスト削減です。人件費は多くの支出を占めますので、RPAによる自動化ができれば多くのコストを削減することが可能です。
労働環境の改善
2つ目は労働環境の改善です。単純作業はモチベーション低下や高い離職率へとつながってしまいます。特にコールセンターでは離職率が50%以上と高い数値です。少しでも単純作業を減らすことができれば、従業員のストレスを緩和し高い成果と低い離職率を実現することにつながります。
サービス品質の向上
3つ目はサービス品質の向上です。人が作業をする場合はどうしても人的ミスが伴ったり、労働時間の制約で営業時間が伴ったりします。RPAの場合は24h365日稼働することが可能で、エラーがない限りは登録した作業フローの通りにこなしてくれます。RPAを導入することで対応時間の拡大や作業ミスの防止などサービス品質の向上につなげることが可能です。
RPA導入のデメリット
RPAは導入による効果が大変魅力的ですが、RPAはできること・できないことがあります。人間が対応している作業の中には一見、単純作業に見えて、実は機械的には複雑な作業になるケースもあります。また、RPAを導入することで効率化が図られるどころか、より工数がかかってしまうというケースもあります。
必要機能の洗い出しをしておかないと骨折り損?
RPAでは単純な作業フローや簡単な分岐など登録した通りのルートでしか動作することはできません。人間の処理場は単純作業だと思ってRPAをそのまま導入してしまうと、肝心なポイントでRPAを活用することができないなどのケースが発生してしまいます。せっかく導入しても僅かな箇所で自動化ができないとなると、RPAを導入した意味がなくなってしまいます。
RPAの導入を目的にしてしまうと本末転倒?
またよくRPAの導入が先に決まってしまって、何を自動化するかというのを後で検討するようなケースもあります。この場合は、本当に必要な業務以外でRPA構築をしてしまったり、今までのフローよりもRPAを導入したことで複雑なフローになってしまうなどのケースが発生してしまいます。RPA導入による効果が見られないと、導入した意味がなくなってしまいます。
RPAを導入する前にしておくべき”業務フローの整備と棚卸し”
RPAを導入する前に、現在の業務内容の可視化やフローの整備、棚卸しを実施しているか否かで、成功か失敗かが別れるポイントになります。
ここでRPAを導入するまでにしておくべき項目を確認しておきましょう。
- 業務内容の棚卸し
- 業務フローの整備・可視化
- 必要な機能について洗い出し
- 自動化の実現可否をRPA会社へ相談
- 料金やサポート対応などで導入候補を挙げる
- 導入候補の中で”無料トライアル”としてPoC検証を実施
- 総合判断として導入するRPAツールを選定
業務内容の棚卸し
RPAを導入する上で一番大切なポイントが業務内容の棚卸しです。現状どのような業務が、どのくらい工数や時間がかかているのかを判断することで、RPAの自動化の優先順位や導入後のインパクトを想定することができます。多くはRPAを導入斡旋する部署と、実際に利用する現場の部署は異なるケースが多いので、最初に会社内で整理する機会を設けることをオススメします。
業務フローの整備・可視化
RPAを実際に作成する際は、1つずつ作業手順を組み合わせてロボットを作成していきます。「URLを貼り付けて、検索ボタンを押す」などの粒度で細かく設定をする必要があります。ここまで最初から細かくなくても大丈夫ですが、ある程度の作業フローを整備・可視化することが必要です。RPAを導入しなくても作業フローを変えるだけでかなり工数削減が見込まれるというケースもあります。
必要な機能について洗い出し
RPAにはできる作業とできない作業があります。ここは導入するツールによっても機能が分かれていますので、今回の作業フローを自動化するにあたり、必要な機能を出しておきましょう。URL検索や資料のダウンロードなど最初はざっくりとした項目だけで大丈夫です。
自動化の実現可否をRPA会社へ相談
作業フローとと必要な機能について洗い出しが完了したら、RPA会社へ相談してみましょう。RPA会社もかなり多いのですが、こちらの記事で厳選した15社をまとめていますので候補の参考にしてみてください。
料金やサポート内容の確認
RPAは完全にセルフ型で利用するようなツールが多いので、料金ももちろんですが、サポート体制についても確認しておきましょう。特に非エンジニアだけで利用する場合は、エンジニア的な知識が必要となるケースがありますので、その際に気軽に相談して対応することができるかが重要です。
導入候補の中で”無料トライアル”としてPoC検証を実施
ほとんどのRPAツールでは無料でトライアルを実施することができます。機能によって無料でずっと使えるところもあれば、期間限定で全ての機能を無料で使うことができるツールもあります。ここでは実際に使い勝手や自動化した際の効果について検証してみましょう。
総合判断として導入するRPAツールを選定
無料トライアルでの検証も済んだら、あとはベンダー先を選定するだけです。料金やサポート体制、使いやすさなどが比較ポイントとしてありますが、一番は費用対効果がキチンと出るかどうかです。料金は安いところもあれば、利用したい機能によってオプション費用が発生するところもあります。今回の自動化で必要な機能にかかる費用と、導入後のコスト削減費用を比較して、導入有無を判断することをオススメします。
検証した結果、”RPA導入しない”はあり
RPAを検証していく中で、インパクトが確認できないという結果もあります。そのような際は、遠慮してRPAを導入するのではなく、業務目線で導入しないという判断を行いましょう。RPA以外にも自動化で活用できるツールはたくさんあります。例えばGoogle Apps ScriptはGoogleのスプレッドシートを通して、自動集計やSlackやChatWorkなどのビジネスチャットで連絡、Gmailと連携してメール送付なども無料で実現することができます。
わざわざRPAのツールを活用しなくても自動化や効率化ができるという業務は多いので、社内のシステムに詳しいエンジニアにも相談してみるとよりより解決策が出てくるかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はRPAの導入手順について紹介しました。RPAは導入をする前の段階で成功するか、失敗するかが別れるポイントになります。業務目線から自動化を考えることが大切ですが、RPAの導入が先行してしまうと忘れてしまいがちです。本来の目的を常に意識しつつ、良い判断ができるように検証していきましょう。
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