そもそも燃料調整費とは?
燃料調整費とは、「電力の時価」のことです。
よくお寿司屋さんに行くと、本マグロは「時価」なんてメニューに書かれていて、迂闊に注文できなかったという経験はありませんか?
実は電気料金にも時価が採用されており、その時の情勢に合わせて電気料金が変動しているんです。
電気料金が変動するのは、電気を作るための材料費が上下するためです。
今では大部分を火力発電で担っていますが、その材料となる石炭や石油の価格が向上すると、電気を作るコストが嵩んでしまうので、結果として電気料金の値上がりにつながるという関係があります。
今では、ロシアとウクライナの戦争によって石炭や石油価格が上昇しており、日本をはじめ多くの国で影響を受けています。
一般家庭で月に5000円弱も値上がりする?
このような背景の中、楽天でんきが燃料調整費の上限撤廃を発表しました。
これまで「電力の時価」の部分を燃料調整費という項目で調整しており、市場の電力の価格に合わせて調整をしていました。
ただ、現状の調整スピードでは間に合わないくらい、電力の高騰が進んでおり、もともと設定していた調整価格の上限では赤字コストが膨らむと判断したのでしょう。
この市場価格の適応というのが恐ろしいのです。
2022年9月段階での試算は以下の通りです。
東京の上がり幅が以上に大きく、これまでの3倍以上の価格に膨れ上がっています。
月々の利用料金に直すと5,000円弱も上がっています。
今後、暖房のニーズが高まる冬の季節では、この料金の影響がさらに1.2倍~1.5倍になるのではと予測しています。
「楽天でんき」から乗り換え先はどこがお得?
今ネックとなるポイントが燃料調整費で、多くの電力会社が上限の撤廃を開始しています。
そのような中、大手の電力会社の中にはプランによって、上限撤廃をせずに、
今後の世界情勢の影響を最小限に留められそうなところがありました。
※以下は2022年10月段階で公表している燃料調整価格を反映しています
▼関東(東京電力エリア)で、2世帯(300kWh)での試算
▼関東(東京電力エリア)で、3世帯以上(500kWh)での試算
結果として東京電力(TEPCO)の従量電灯Bプランか、コスモでんきのスタンダードプランが良さそう
多くの電力企業が燃料調整費の上限を撤廃している中、東京電力(TEPCO)とコスモでんきでは、まだそのような方針はなさそうでした。
注意点として、東京電力(TEPCO)では「スタンダード」プランを推していますが、このプランだと燃料調整費の上限がありません。あくまで、従来プランの「従量電灯B」が燃料調整費の上限がついているプランとなっています。
▼2022年11月の価格で4円以上も単価が異なる
※5.13円の方が「従量電灯」プランで、9.72円が「スタンダード」プラン
当社の新しい料金プラン(スタンダードプランや電化上手などの電気需給約款[低圧]にもとづく料金プラン)は、各エリアの従来の料金プラン(従量電灯などの特定小売供給約款等にもとづく料金プラン)と、通常、燃料費調整額が基本的に同水準になるように設定しておりますが、従来の料金プランには加算される変動幅に上限がある一方、当社の新しい料金プランにおいては上限がありませんので、燃料価格が高騰した場合には、当社の新しい料金プランの方が燃料費調整額が高くなる可能性があります。
https://www.tepco.co.jp/ep/private/fuelcost2/index-j.html
今後、より燃料調整費が向上していくと見込まれる2022年の冬から2023年の春の時期までに関しては、これらの電力会社への切り替えがよさそうです。
私もさっそく楽天でんきから乗り換えを進めようと思います。
▼東京電力の「従量電灯」プランはこちら
https://www.tepco.co.jp/ep/private/plan/old01.html
▼コスモでんきのスタンダードプランはこちら
https://www.cosmo-denki.com/personal/standard/calculation.html#price